すきなの

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最近、Sound Horizonというグループの音楽がマイブームでよく聞いている。作風が独特で曲自体にストーリー性がありアルバム全体を通してまた大きな物語が構成されている。Märchenなんてアルバムはメルヘン童話がモチーフになっていて聞いていて面白い。そしてなんといっても全体的にくさい。曲のなかに台詞が入るなどということは当たり前で聞いていて恥ずかしくなってくるような台詞がバンバン出てくる。そんなところも好き。

 

思えば私はくさいものが好きでブルーチーズも好物の一つになっている。初めて食べたのは母と母の知人、その娘たちとの女子会に男一人だけで参加したときだったが、女子たちの口からあふれ出る愚痴や仕事のことなどは一切耳に入らなかった。ただただブルーチーズのその洗っていない靴下を彷彿とさせるにおいに衝撃を受けつつ、クラッカーと共にほおばりつづけていた記憶がある。

 

中二病の患者もくさいが狂おしいほど好きだ。私の高校には典型的な中二病患者がいて「日光が苦手」「防衛省にハッキングした」だのことあるごとにのたまっていた。当時はなにいってんだこいつはと思っていたが、今となっては彼の言動を思うと子猫や子犬のかわいい写真を見た時のような気分になり悶絶してしまう。重要文化財に認定して保護してあげたいと思っている。

いろいろな中二病があると思うがやはり王道のものが一番であるように思う。やはり中二病であるからには、手に包帯を巻いていてほしいし、右目もうずいていていただきたい。ハンドルネームは卍や✝で囲んでほしいし、グロい物が平気であることを友人に自慢してほしい。

 

自由に自己を表現している彼らにあこがれがあるのだとおもう。男の子は誰しも心に中二を飼っているので授業中に何かに襲撃されてサッと身を伏せたいし、エメラルドの剣でドラゴンを倒しに行きたいものだ。そういう生き物。

 

くさいというのは大げさでわざとらしかったり、陳腐な様を言うがそれは古典的であってクラシカル、伝統芸能であるので美しい。様式美を楽しむものだ。

かなうのならば、もう一度高校時代に戻り「昨日壁殴って穴開けちまったよ…」と語る彼の姿をもう一度みたいと思う限りだ。

 

 

でも体臭が臭いのはいや